シャンパーニュ・ブリューノ ・パイヤール

共同オーナー兼経営責任者

子供時代

ランス生まれ、ランス育ち

家族構成

既婚、子供3人の母

影響

「影響」を、「自分の心に響き、形を与えた」という意味で取るならば、おそらくそれは、ランスの音楽学校だと答えるでしょう。ここでは妥協は存在せず、ただ、何事も忍耐強く正確にやり遂げることが必要とされるのです。そして同時に、これは物を聞き、ニュアンスに耳を傾け、ディテールや物事の組み合わせに注意深く入るための何よりの教育でもあります。音楽は、次のことを私に気づかせてもくれました。それは、私たちが複数で作り上げられる事柄は、ソリストの仕事とは全く違った性質のものであるということです。もちろんソリストの演奏が素晴らしくあっても、全く異なる経験なのです。どちらの場合にも純粋な美しさがありますが、共同での仕事には希望があり、一人での仕事には瞑想があります。

もちろん家族から学んだことも自己形成に役立っています。例えば、様々な意見を持って熱心に議論することや、他文化に対する好奇心、開かれた視点などです。とりわけ、この職業に関していえば、学業の違いを超えて、私をスタッフとして受け入れてくれた人たちのおかげで、仕事をしながら私という人間は形成されて行ったのです。そして現在では、私の同業者との会話、そしてもちろん La Transmissionの私の同胞との交流、私の家族や他の地域の生産者や他の会社の社長との対話などを通じて、新たな考えが湧き出てくるのです。

経歴

私はランスで生まれ、1980年代から 90年代にかけてランスで過ごしました。この街はその頃、戦後の建築の独自性を引き受け、その価値を他にも受け入れてもらわなければならない段階にあった頃です。その後この街はその使命を見事に成し遂げました。わたしは15 歳の時にシャンパーニュ地方を離れましたが、その時には実家に戻る予定はありませんでした。その頃わたしの唯一の望みはこの地域を離れ、様々な発見や経験をし、自分自身の体験を築き上げることだったのです。まず10年間の学業の年月がありました。パリのドーフィヌ大学では、経営学の修士号を取り、それからブルゴーニュでワインと蒸留酒の国際関係学を学びました。その後、フランスと海外で数年仕事をしました。この職業体験は私に多くのことを学ばせてくれましが、特に、『星の王子さま』におけるキツネのように秘密を露わにしてくれました。というのもそれらの仕事の経験は、ニューヨークの刺激的な生活、ヴェニスの文化的な美しさ、そしてロンドンの大変に魅力的な様々にミックスした文化などにもかかわらず、私はシャンパーニュ地方にずっと前から属していたのだと気がつかせてくれたのです。

 

そういうわけで私は2007年に25歳でシャンパーニュに戻り、家業に入ります。まずは葡萄畑、次にはワインセラーで働き、そして市場開拓のための出張生活が再び始まりました。少しずつ、父親から家業を受け継ぎ始め、 2018年にはメゾンの責任者となります。

「自分はシャンパーニュ地方とシャンパーニュに薫陶を受けました。そして、家族の生活に付き添うものとしてシャンパーニュがありました。このワインは神秘的で、様々な時に寄り添い、特別な土地で育ち、この土地の歴史と結びつき、豊かさを生み出しています。」

シャンパーニュとシャンパーニュ地方に対する私のヴィジョン

いつでも私の心を打つのは、シャンパーニュという地域の素晴らしいパラドックスです。このパラドックスはシャンパーニュの力強さを証ししています。ワインは私にとってはまず何よりある仕草です。その仕草はとても人間的で、とても控えめで、シャンパーニュが様々に変化する姿をあらかじめ告げる徴のようなものです。そしてその徴は私たちのシャンパーニュの心に刻まれているのです。シャンパーニュ地方は、比較的痩せた土地、時には不適当な扱いを受けた土地から、目覚ましく精神を高め、人々を喜ばせてくれるワインを生み出したのです。

 

私たちの日々の仕事とは、まず第一に、美しいワインを造るということではありますが、それを超えて、私たちが現代において取り組まなければならないテーマについてもはっきりと繋がっています。私たちはシャンパーニュの歴史において、幸いにもますます大勢になる消費者の方々が、私たちのシャンパーニュというアペラシオンに深く興味を持ってくださるという時代を生きています。これは真のチャンスです。シャンパーニュを愛してくださる方々との強い関係を作り上げるチャンスができているということなのですから。シャンパーニュ地方はそういった新しい動きに開かれていますし、おそらくこれはまだ何かの始まりでしかないのです。同時に、私たちはもちろん気候変動の影響も受けています。この変動に対し私たちはともに行動を起こし、会話を深め、私たちのアペラシオンの内部での相互扶助を行わなければなりません。それはまた、シャンパーニュという地域が、前に進むために何度も行ってきたことです。私たちの世代はこの精神に誠実でなければなりません。それにより、より多くの人々による、ありうべき革命を成功させることができると考えています。

シャンパーニュの女性たちに関する彼女のヴィジョンについてさらに知る

ワイン・チャレンジ・ポッドキャストでアレクサンドラとのトークをお聞きください。